遺言書を作成するにあたり、どのような方法で作成すればより自身の希望に適うのか
方法を比較検討していきます。
→遺言者だけでなく相続人にも費用負担の少ない方法を選択する事が重要です
遺言者、相続人双方にとって一番費用がかからない方法は
■自筆遺言証書を自宅で保管した場合
作成にかかる費用は、紙とペンとコピー代です。
相続人にかかる費用は、検認申立費用800円と通信用切手代と証明書取得費用150円
戸籍等の必要書類を揃える為の交通費と戸籍費用5000円程度
相続人各自が自身の書類を取得するなどの費用がかかりますが、一番費用負担の少ない方法です。
ただし、検認申立や戸籍の取得等を代理人に依頼する場合は代理人の手数料も必要となってきます。
■自筆遺言証書を法務局で保管した場合
作成にかかる費用は、紙とペンとコピー代及び、法務局の保管手数料3900円です。
相続人にかかる費用は、遺言書情報証明書取得費用1400円
戸籍等の必要書類を揃える為の交通費と戸籍費用5000円程度
相続人各自が自身の書類を取得するなどの費用がかかります。
法務局とのやり取りや戸籍の取得等を代理人に依頼する場合は代理人の手数料が必要となります。
■公正証書は作成する際に公証役場での作成手数料がかかります。
遺言書の内容により作成費用は異なり、25000円~数万円が必要となります。
また、出張で作成する場合は公証人の出張費用も必要です。
ただし、相続人にかかる費用は一番少なく、死亡の戸籍と相続人自身の戸籍で手続きが可能です。
注)公証役場手数料や戸籍等必要書類の取得費用は概算です。
場合により異なりますのでご注意ください。※各種手数料の金額はコラム記事作成時のものです。
法務局保管 | 自宅保管 | 公正証書 | |
遺言者の 費用負担 |
遺言書保管の申請手数料 3900円 |
作成に関する費用負担無し |
公証役場での作成手数料 内容によって異なる 25000円~ |
相続人の 費用負担 |
遺言書情報証明書交付手数料 1400円 戸籍等必要書類の取得 5000円~ |
遺言書検認の申立費用 800円 検認済証明書費用 150円 戸籍等必要書類の取得 5000円~ |
戸籍等必要書類の取得 1000円~ |
遺言者の 手続き |
自筆で遺言書を作成 (一部コピーを添付可) ↓ 管轄の法務局に保管予約申請 (TEL又はWEB) ↓ 予約した日に法務局へ出向く (代理人不可) |
自筆で遺言書を作成 (一部コピーを添付可) ↓ 信頼できる家族や代理人に 遺言書作成の事実を伝える |
公証役場に作成予約 (司法書士等に依頼する場合は不要) ↓ 予約した日に公証役場へ出向く 公証人の出張作成も可 |
相続人の 手続き |
・被相続人の出生~死亡の戸籍
・相続人全員の戸籍、住民票 など必要書類の取得 ↓ 法務局に証明書申請予約(全国の法務局で対応可能) ↓(後日) 法務局に出向く ↓ 遺言書情報証明書を取得 相続手続きの開始 |
・被相続人の出生~死亡の戸籍
・相続人全員の戸籍 など必要書類の取得 ↓ 被相続人最後の住所地を管轄する家庭裁判所に 「遺言書検認の申立」を行う ↓(1カ月程度) 検認の日に申し立てをした管轄家庭裁判所に出向く ↓ 検認済証明書を取得 相続手続きの開始 |
・ 被相続人死亡の戸籍 ・手続きする自身の戸籍 など必要書類の取得 (出生~死亡の戸籍一連は不要) 相続手続きの開始 |
相続人の懸念事項 |
・被相続人の出身地 ・相続人の居所 により、遠方の場合は戸籍等書類の取得に時間と手間がかかる |
・被相続人の出身地 ・相続人の居所 により、遠方の場合は戸籍等書類の取得に時間と手間がかかる ・検認の申立から検認の日まで 約1カ月かかる |
早ければ即日手続き開始が可能 |
こちらも参考に
これまで相続や遺言書作成に携わってきた中で感じた事などをコラムや注意書きとしてまとめています。
2020年 9月 23日 | 遺言
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