遺言執行者(遺言書の内容通り手続きを行う事を指名されたひと)が指定されていないと
困ることが幾つかあります。
◆ 推定相続人の廃除
◆ 認知
これらは、遺言者が亡くなったあと遺言執行者が手続きを行うため、おのずと指定が必要となります。
◆ 法定相続人以外の人に財産を「遺贈する」
遺贈する財産が、不動産の場合、遺言執行者の指定が無ければ
「相続人の全員の協力」が無ければ登記が出来ません。
遺言執行者が指定されていない場合、登記義務者として相続人の全員から
「印鑑証明書」と「書類に実印」を押印してもらう必要がある為です。
受贈者(遺贈で財産をもらうひと)が相続人と不仲であったり、
相続人と全く付き合いが無い場合など、協力を得ることが難しい場合は
遺言書のとおり財産を受けとることが出来ません。
これでは何のために遺言書を作成したのかわかりません。
回避する方法として
これから遺言書を作成する方は、遺贈で財産を貰う人を遺言執行者に指定してください。
遺贈で貰う人が遺言執行者として1人で登記を申請することが出来ます。
なお、遺贈での登記には不動産権利証(登記識別情報通知)が必要となりますので
遺言書と共に保管しておくことをお勧めします。
もし、既に遺言執行者を指定せず、遺贈の遺言書を作成している場合は、改めて作成し直すか、
遺言者の死後、財産をもらう人が家庭裁判所に「遺言執行者選任の申立」を行い、
裁判所に遺言執行者を選任してもらうのが良いと思います。
遺言執行者を、財産をもらう人とは別の第三者に指定した場合
遺言者より先に遺言執行者が亡くなっている場合や、高齢で遺言執行に差し障りがある場合も
裁判所に遺言執行者を選任してもらう手続きが有効です。
※注)本記事の記載内容は、2021年4月現在の法令・情報等に基づいています。
今後進められる不動産登記法の改正内容によっては、
遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、
不動産登記法第60条の例外として、
登記権利者が単独で申請することができる様になるかもしれません。
こちらも参考に
これまで相続や遺言書作成に携わってきた中で感じた事などをコラムや注意書きとしてまとめています。
2021年 4月 5日 | 相続
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