遺言書を作成するにあたり、どのような方法で作成すればより自身の希望に適うのか
方法を比較検討していきます。
→相続人の全員が遺言書を見られる方法を選択する事が重要です
汚損、破損、紛失の懸念が無く、遺言者の死後、確実に遺言書の存在を
相続人に知らせる事が出来る方法は
■自筆遺言証書を自宅で保管した場合
検認を行う際相続人の全員に遺言書の検認について通知が行われますが
そもそも、自宅で保管していた遺言書が、誰にも発見されないという危険性や
発見された際、既に保管状態が悪く、内容が確認出来ないといった懸念もあります。
■自筆遺言証書を法務局で保管した場合
遺言書を法務局で保管する場合、保管状態の悪化や紛失の危険性は無くなります。
遺言者の死亡時には、市役所から法務局に対し遺言者の死亡の通知をして、
予め遺言者が指定した特定の人に対し、法務局から「遺言書を保管している」旨の
通知を出す事も可能ですので発見されないという懸念も無くなります。
■公正証書は原本を公証役場で保管するため、汚損破損紛失の心配はありませんが
相続人が公正証書を発見出来ず、公証役場に問い合わせる事をしなければ
遺言書の存在は気づかれないままとなってしまいます。
注)公証役場手数料や戸籍等必要書類の取得費用は概算です。
場合により異なりますのでご注意ください。※各種手数料の金額はコラム記事作成時のものです。
法務局保管 | 自宅保管 | 公正証書 | |
遺言者の 費用負担 |
遺言書保管の申請手数料 3900円 |
作成に関する費用負担無し |
公証役場での作成手数料 内容によって異なる 25000円~ |
相続人の 費用負担 |
遺言書情報証明書交付手数料 1400円 戸籍等必要書類の取得 5000円~ |
遺言書検認の申立費用 800円 検認済証明書費用 150円 戸籍等必要書類の取得 5000円~ |
戸籍等必要書類の取得 1000円~ |
遺言者の 手続き |
自筆で遺言書を作成 (一部コピーを添付可) ↓ 管轄の法務局に保管予約申請 (TEL又はWEB) ↓ 予約した日に法務局へ出向く (代理人不可) |
自筆で遺言書を作成 (一部コピーを添付可) ↓ 信頼できる家族や代理人に 遺言書作成の事実を伝える |
公証役場に作成予約 (司法書士等に依頼する場合は不要) ↓ 予約した日に公証役場へ出向く 公証人の出張作成も可 |
相続人の 手続き |
・被相続人の出生~死亡の戸籍
・相続人全員の戸籍、住民票 など必要書類の取得 ↓ 法務局に証明書申請予約(全国の法務局で対応可能) ↓(後日) 法務局に出向く ↓ 遺言書情報証明書を取得 相続手続きの開始 |
・被相続人の出生~死亡の戸籍
・相続人全員の戸籍 など必要書類の取得 ↓ 被相続人最後の住所地を管轄する家庭裁判所に 「遺言書検認の申立」を行う ↓(1カ月程度) 検認の日に申し立てをした管轄家庭裁判所に出向く ↓ 検認済証明書を取得 相続手続きの開始 |
・ 被相続人死亡の戸籍 ・手続きする自身の戸籍 など必要書類の取得 (出生~死亡の戸籍一連は不要) 相続手続きの開始 |
相続人の懸念事項 |
・被相続人の出身地 ・相続人の居所 により、遠方の場合は戸籍等書類の取得に時間と手間がかかる |
・被相続人の出身地 ・相続人の居所 により、遠方の場合は戸籍等書類の取得に時間と手間がかかる ・検認の申立から検認の日まで 約1カ月かかる |
早ければ即日手続き開始が可能 |
こちらも参考に
これまで相続や遺言書作成に携わってきた中で感じた事などをコラムや注意書きとしてまとめています。
2020年 9月 14日 | 遺言
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