『自筆証書遺言』で相続手続きを行うには、裁判所での検認手続きが必要です。
検認は相続人全員に「遺言書がある旨及び検認期日」の通知が行われます。
また、『自筆証書遺言を法務局で保管する方法』を選択した場合、裁判所の検認手続きは不要ですが
遺言内容の交付請求を行うと、法務局から相続人全員に宛てて、遺言書保管の旨が通知されます。
ご依頼者の中には、この相続人全員への通知の存在により
自筆証書遺言を使っての相続手続きを、躊躇われる方がおられます。
他の相続人が、遺言書の存在を知ること自体が、しこりを生む材料になってしまう場合もある様です。
遺言書の検認通知や、法務局からの遺言書保管通知が届く事で、初めて遺言書の存在を知ったら
相続人なら誰しも「内容を確認したい」と思われるでしょう。
遺言書に書かれた内容が「特定の相続人に全て相続させる」とあったとしたら、
相続人間の心情に、しこりが生じないとも限りません。
「都合のいい事を言って書かせたのではないか」という疑心や
「自分が知らない財産があったのではないか」という懸念
「何故自分の名前は無いのか」と遺恨を生む事もあります。
自筆証書遺言がある場合と、遺産分割協議を行う場合とで、
相続手続きに必要な書類は、然程変わりはありません。
相続人全員で財産の分け方を話し合い、問題なく手続きが進む場合は
相続人同士のしこりを生じさせない為にも、遺言を使わず遺産分割協議をする事も方法の一つです。
遺言書を作成する方は、将来相続人同士でもめ事の種にならない様、配慮する事も必要です。
公正証書遺言は、他の相続人への通知はありません。
他の相続人の書類を用意する必要も無く、財産を受け取る人単独で手続きが可能です。
こちらも参考に
これまで相続や遺言書作成に携わってきた中で感じた事などをコラムや注意書きとしてまとめています。
2023年 4月 17日 | 遺言
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