相続放棄の落とし穴③

相続人が誰もいない場合や、全員が相続放棄をした場合、相続人不存在となります。

民法の規定では、相続人が不存在となった場合、相続財産は法人化し、相続財産清算人の選任がなされ、相続財産清算人が財産の処分をしたのち、残った財産は国庫に帰属します。ここまで見ると、相続人が誰もいなくなった相続財産は、国が管理するかのように見えます。

しかしながら、ここにも落とし穴があります。

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相続財産清算人の選任は、誰かが裁判所に対し

「相続財産管理人選任請求の申立」をしなくてはなりません。

 

 

被相続人が金銭債務を抱えていた場合は、債権者が申立をするでしょう。

債権者がいない場合、不動産の管理責任を負った相続人が申立をするとよいかのように見えますが

相続財産清算人には報酬が発生します。報酬は相続財産から支払われることになりますが、

不足があれば申立人が支払うことになります。

 

 

不要な不動産を相続したくないという理由で安易に相続放棄という選択をすると、

預貯金や不動産の所有権は相続出来ないながらも、管理責任により

不動産を管理しなければならず、

管理責任から逃れるために相続財産清算人を選任してみるものの、

結局、相続財産清算人に対して、相応の報酬を支払うことになりかねません。

 

 

専門家に相談し、対応を検討する事をお勧めします。

 

 

第951条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。

第952条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。前項の規定により相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は遅滞なくこれを公告しなければならない。この場合において、その期間は6箇月を下ることができない。

第959条 前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。

※ 民法952条は令和5年4月1日施行の民法改正後の文言です。改正前はこちら↓

   第952条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、

    相続財産の管理人を選任しなければならない。

   2前項の規定により相続財産の管理人を選任したときは、家庭裁判所は、

    遅滞なくこれを公告しなければならない。

 

※相続財産管理人と相続財産清算人

2021年民法改正により、家庭裁判所が選任し、相続財産に関する処分等もできる「相続財産の清算人」が創設されました。なお、「相続財産の管理人」は、保存行為のみができる職務(民法第897条の2)として今後呼び分けられます。施行日:令和5年4月1日

 

 

 

相続土地国庫帰属制度が創設されます。(令和5年4月27日施行)

相続等により土地の所有権を取得した者が、法務大臣の承認を受けてその土地を国庫に帰属させることが出来る制度です。制度の利用には条件があります。

詳しくはこちら→相続土地国庫帰属制度の概要【令和5年4月27日施行】

 

 

 

 

こちらも参考に

これまで業務に携わる中で感じた事などをコラムや注意書きとしてまとめています。

小川雅史コラム 相続放棄カテゴリ

2022年 10月 31日 | 相続

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