住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権の抹消に関する書類が届きます。
抵当権抹消手続きを司法書士に依頼するにも費用がかかるし、自身で行うのは面倒、
ローンは完済したのだから、これ以上返済する必要は無いし、
抵当権抹消の登記をする必要、本当にあるの?という事で
抹消の登記をせずに放置をしたらどんな事が起きるでしょうか。
住宅ローン完済後も、抵当権を抹消せずに放置した場合に起きるかもしれない
様々な事例について解説していきます。
1)不動産を売却する時に影響がある
ローンを完済しても抹消の登記を行わなければ、登記簿上は抵当権がついたままです。
そして、不動産を売却する際には、抵当権が抹消されている必要があります。
抵当権がついたままの不動産を売ろうとしても、不動産仲介会社が登記事項を確認した際、
ローンが残っているかもしれない、抹消手続きに時間がかかるかもしれない、という懸念材料になり
思うように売却手続きが進まないという事があるかもしれません。
2)改装や増築など新たにローンを組もうとする時に影響がある
新たな住宅ローンを組む際に、登記簿上、前の抵当権が残っていると融資に影響が出ます。
債務者が返済不可能になった場合、1番抵当権者(先に抵当権をつけた者)は2番抵当権者に優先して
弁済を受ける為、万が一の際に後順位抵当権者は弁済を受ける事が出来なくなってしまいます。
先の通り、ローンを完済しても抵当権抹消登記を行っていないと登記簿上は抵当権がついたままです。
急ぎローンを組みたい事情が出来た時に、審査が通らないという事態になりかねません。
次週に続きます →「抵当権抹消登記を行わなかった場合に起きること②」
なお、抵当権だけではなく仮登記、買戻権など、古い登記がそのまま残っている場合は
いざという時のために抹消手続きを行う事をお勧めします。
こちらも参考に
これまで不動産登記に携わってきた中で感じた事などをコラムや注意書きとしてまとめています。
小川雅史コラム 不動産カテゴリ
2021年 9月 27日 | 不動産
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