一部の相続人が、被相続人の生活の世話をしていたり、財産の増加に特に貢献していたりした場合に、
ほかの相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる『寄与分』について説明します。
一部の相続人が、被相続人の生活の世話をしていたり、財産の増加に特に貢献していたりした場合に、
ほかの相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる『寄与分』について説明します。
財産維持などへの貢献を反映する『寄与分』
寄与分が認められる場合は、民法904条の2によると
『共同相続人中に、
1)被相続人の事業に関する労務の提供
2)財産上の給付
3)被相続人の療養看護
その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者』
と定められています。
この「寄与分」は、通常期待されるような程度を超える貢献が必要とされ、
無償性、専従性、継続性等が必要となり、
さらに、被相続人の財産が維持または増加したことが必要です。
たとえば、
・被相続人が経営していた会社に関与したことにより、会社が大きく売上を伸ばした
・相続人が金銭的援助をしたことにより会社が経営難から立ち直った
・通常はヘルパーを頼むところを一定期間休職し、被相続人の介護を全面的に担った
など被相続人の財産が維持または増加した事実が確認できる場合がそれにあたります。
このように考えると、実際に寄与分が認められるケースはそう多くないといえるでしょう。
次回は、2019年に制度が始まった「特別な寄与」についてご説明します。
※本記事の記載内容は、2021年6月現在の法令・情報等に基づいています。
追記:令和3年民法改正(令和5年4月1日施行)により、相続開始から10年経過後にする遺産分割は、寄与分などを考慮した「具体的相続分」ではなく「法定相続分(又は遺言書等で指定された相続分)」による事となりました。
相続開始から10年が経過すると寄与分の主張が出来ない事となります。※例外あり
改正法施行日(令和5年4月1日)以前に被相続人が死亡した相続にも適用されます。ただし、経過措置により既に10年が経過している相続に関しても経過措置として施行日から5年の猶予期間があります。
2021年 8月 16日 | 相続
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