小規模宅地等の特例を利用する事を考えて二世帯住宅にされた方、
その二世帯住宅、小規模宅地の特例の適用外かもしれません。
相続税対策として有名な「小規模宅地等の特例」とは
No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|財産の評価|国税庁
個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の
用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、
一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、
相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。
この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。
二世帯住宅でもいろいろなケースがあります。
①親と子どもで同じ家屋に同居しているが、生活している階が異なる場合
いわゆる建物の内部で行き来できる二世帯住宅です。単独登記や共有登記で登記されています。
②親と子どもで同じ家屋に同居しているが、玄関が別々で建物の内部で行き来することができない場合
建物が完全分離型の二世帯住宅は区分登記を行えます。もちろん、単独登記や共有登記も可能です。
完全分離型の二世帯住宅の場合、不動産取得税や固定資産税の節税を目的に区分登記をするケースがあります。ところが、相続税の節税対策では区分登記がネックになってしまいます。
リフォームなどで特例を適用するため、①のように事実上、建物の内部で行き来する構造に自宅を改修する人がいますが、区分登記の場合は原則、小規模宅地の特例が適用できないとされています。 ただし、実際にキッチンを共用していたなど、生計を同一にしていたという事実が証明されれば、適用される可能性はあります。
一方、②のように親と子で生計を別にする完全分離型の二世帯住宅であっても、区分登記をしていない場合は、原則として小規模宅地の特例を適用できます。 完全分離のタイプにしている二世帯住宅に特例を適用させたいのであれば、その物件が区分登記されているかどうかを確認する必要があります。
区分所有で登記されている場合は、単独登記か共有登記にする必要があるでしょう。
ただし、単独登記や共有登記にすると、相続財産になってしまい、遺産分割の対象となります。
親族間で揉めている場合、遺産分割で争いのタネになってしまうケースもあるので、遺言書などであらかじめ相続する人を指定するなどの対策が必要です。
司法書士として二世帯住宅の区分所有登記を行った経験はあまりありませんが
知人の中にも、二世帯住宅を建築したという話を聞くようになりました。
世帯の違いにより生活時間が異なり、うまくいかなくなるケースもあるようで
二世帯住宅を建築したけど子世代が出て行ってしまったという話もよく耳にします。
特例を利用する等の相続対策も大切ですが、
まずは親子間、家族間の人間関係が上手くいくことが
一番重要な円満相続の対策になるのではないでしょうか。
2017年 12月 15日 | 相続
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