会社の設立は、法務局で登記を申請しただけでは終わりません。
今回は、会社設立後に必要となる税務関係の届出書類についてご紹介します。
設立登記完了後に発行される法人番号を用いて
税務署・市町村・年金事務所・労働基準監督署・ハローワークへの届け出が
24時間オンラインで出来るサービスもご活用下さい。
なお、ワンストップサービスを利用するには
・マイナンバーカード ・カードリーダー ・動作環境に適したパソコンやスマートホン
が必要です。
登記が完了したら、提出しなくてはならない書類として
『法人設立届出書』『青色申告の承認申請書』『給与支払事務所等の開設届出書』の3つがあります。
いずれも提出先は所轄の税務署となります。
●法人設立届出書
会社を設立した事実や会社概要を税務署に届け出るためのものです。
添付書類の『定款、寄付行為、規則又は規約等の写し』とともに、
会社の設立の日以後2カ月以内に提出しなくてはなりません。
提出すると、税務署から税金関連の書類が送られてきます。
注)税務署だけでなく、法人住民税や事業税などの地方税を納めるために、
各都道府県の所管の県税・都税事務所と、市区町村役場にも提出が必要です。
●青色申告の承認申請書
確定申告の際に青色申告を行うための書類です。
青色申告をするためには、前もって青色申告の承認申請書を提出して承認を受ける必要があり、
提出しない場合は自動的に白色申告になります。
申請書の提出期限は、会社設立の日以後3カ月以内もしくは最初の事業年度の終了日のうち、
いずれか早い日の前日までとなります。
参考)確定申告には白色申告と青色申告があります。
青色申告を選択すれば、少額減価償却資産(30万円未満)の取得価額の損金算入や
欠損金の繰越控除、欠損金の繰り戻し還付などが受けられるメリットがあるため
一般的に選ばれるのは青色申告です。
●給与支払事務所等の開設届出書
会社が従業員に給与を支払う際に、源泉徴収をするために必要な書類です。
事務所を開設した日から1カ月以内に届け出る必要があります。
上記3種のほか、特例を受ける場合に
提出が必要となる書類もあります
●源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
従業員が常時10人未満の会社は、給与や賞与、税理士等の士業に係る源泉所得税を、
半年に一度の納付とする特例を受けることができます。
申請書の提出先は所轄の税務署で、提出した日の翌月に支払う給与等から適用されます。
●棚卸資産の評価方法の届出書
自社がどの方法で棚卸資産を評価するのかを税務署に知らせるためのもので、
提出しない場合は自動的に『最終仕入原価法』で評価することになります。
届出書は、最初の事業年度の確定申告書の提出期限までに、所轄の税務署に提出します。
●減価償却資産の償却方法の届出書
自社がどの方法で減価償却資産の償却を行うのかを税務署に知らせるためのもので、
提出しない場合は機械装置や車両運搬具、器具備品は自動的に『定率法』を採用することになります。
法人の減価償却の方法については、機械装置、車両運搬具、器具備品などは定額法と定率法の
いずれかを選択でき、建物、建物付属設備、構築物、ソフトウェアなどについては
定額法で行うことが決められています。
届出書は、最初の事業年度の確定申告書の提出期限日までに、所轄の税務署に提出します。
会社設立の際の届出は記入すべきことが多く、手間がかかりますが、
役所側から催促されることはないため、経営者自身が忘れずに提出しなければいけません。
提出すれば節税効果が見込めるものもありますから、記入漏れなどがない状態で
期限内に提出できるように、しっかりと準備をしておくことが肝要です。
※本記事の記載内容は、2021年5月現在の法令・情報等に基づいています。
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これまで商業登記に携わってきた中で感じた事や注意事項などをまとめています。
2021年 9月 6日 | 会社設立
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